「電子書籍」と「電子コンテンツ」、そして「本」は???

 たまには、気球や陸上から離れて本業のICTの話を。近年のICTの進歩は更に加速しており、10年以前に言われていた「ドッグイヤー」という言葉を遥かに通り越して、今は何と呼んでいいものか。それにしても、進歩が進歩の連鎖をよんでいるようです。
 Webの世界も大きく変わり、以前のユーザビリティーやアクセシビリティーという言葉を最近ではあまり聞かなくなりました。それよりこのWebをどうシステムとして活用していくのか、更にその活用の先に何を作り出していくのかが重要なポイントとしてクローズアップされてきました。その一つが、知の集約である『本』の扱い方です。昨年のブックフェアーで鮮烈に認知された「電子書籍」という言葉は、今ではすでに当たり前の言葉として使われ始めています。しかし、これも「書籍」という表現が一般の人たちの目をそちらに向けさせたに過ぎず、もしこれを最初から「電子コンテンツ」と表現していたら、これほどのインパクトは無かったのではないでしょうか。
 かつて、Webサイトに表現された情報を「インターネット」という言葉で表し「ホームページ」という言葉とともに、若干認識のズレた解釈のまま発達した「Webサイト」。「インターネットもできるんです!」というCMの表現とともに一般化していった時と同じ勢いを感じて仕方ありません。この「インターネット」と同義語に使われた「Webの情報」を修正し、ふだんネットを使い慣れない人たちが、正しい認識に至るまでには数年かかったと思います。その意味では、最近のスピード感からいえば、「電子書籍」=「本」ではない認識を一般化するのは、この一年なのではないでしょうか。
 ということで、私自身は「電子コンテンツ」という言葉を意識して使っていきたいと考えています。もちろん、当面の間は「電子書籍」と「電子コンテンツ」は、併用しなければ多くの人たちに伝わらないとは思いますが。
 そこで、私は今年

「本」=「電子書籍

を意識した出版をすることにしました。そしてできることなら、来年に向けて

電子書籍」=「電子コンテンツ」 つまり「本」ではない

を意識した出版をしてみたいと考えています。
これからの構想ですので、何をテーマとするかは決めていませんが、何か「えっ! これが本?」と言われるようなものを・・・。

「だから本じゃないよ!」

と言えるようなものです。 できるかな??? またチャレンジです。